占い5。
2022.10.28
今日も短編小説風にお届けします。
4回連続コラムの続きです、気になる方は5つ前の鍋に巾着が入ってる投稿から見てね。
お墓自体はあるんですか?と僕はおばあちゃんに尋ねると、何かどこか観念したかのように
「お墓はあります、でも魂はもうないですそのお墓には、すぐ近くなのでご案内します」。
あるんだ、あるんだ、あの占い師の言ってた通り、あるんだ。
なんかね、震えましたよ。
占い師はこういいました。
「あんたの本家の墓はでーーーっかいけど、その本家から外れた田んぼのあぜ道を抜けた先に、ちっちゃなちっちゃな墓があるわい。それがあんたの本当の先祖の墓じゃ」と。
おばあさんについていくと、本家の墓がある立派なお寺にその墓はなく、お寺から出て左に曲がり、田んぼのあぜみちのような無舗装の道をしばらく歩くと、お寺の中にあるお墓のようにちゃんと管理されてないような、少し荒れた感じのある墓地が出てくるではないですか。
墓地が見えた時、さぶいぼがとまりませんでした。
墓地に入り3つ目くらいの筋を左に曲がり5歩ほど進むとおばあちゃんは、深く深呼吸をし、僕に言いました。
これが、お墓ですと。
これがお墓?ってくらい小さく黄ばんで、寂しいという表現よりも、何か仕方なしに建てられたとわかる儚さ、そして物憂げなお墓がそこにあるんです。
サイズ的にはワインボトルを横に3本並べたくらい。
誰のお墓なんだろうと名前を見ると、なんと、僕の本当の曽祖父T爺の名前が刻印されてるんです。
もともと本家だったけど、政略結婚によって分家に追いやられたT爺の名前が。
その文字はどこか悲しげなんだけど、でも、いつか見つけてくれるだろうという強い信念すら感じる力強さもありました。
おばあちゃんの言っていた「もともとの本家筋の方がいつかこられると思いました」ってのは、今の本家の人たちは、きっとこの小さな墓のパワーに怯えていたんだなと直感的に感じました。
怨念、執念、何か昔の日本に色濃く残った、何かを感じました。
T爺の執念が僕をここに導いたのでしょうか。
またまた明日に続く。
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