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言霊と繁栄の記憶

2023.08.22

言霊と繁栄の記憶

数回前のコラムで「理不尽な教師」って記事を書いたと思うんです。

それは小学校時代の先生だったんですけど、今度は中学編。  

ただ、今日のお話はフィクションというかだいぶお化粧してますので、ご了承ください。

また、今日の話は生死に関わる問題なので、胸糞悪いかもしれないので、嫌な方は読まないでください。

昔、黒板に大きな木製コンパスを持って授業する数学やら物理の先生っていたじゃないですか。

そんな大きな木製コンパスを持った先生の話なんですけどね。

その先生は、何か生徒が間違ったり悪い事をしたら、その大きな木製コンパスのチョーク側じゃない方の角で頭を叩くんです。

支点側でですね。

スナップきかせて、カツーンとね。

それが痛いのなんの、めっちゃ。

振り下ろす長さ的には10cmとかなんだけど、まー痛い。

そらそうですよね、材木の角で殴られてるんだから。

でね、その先生は木製コンパスで僕たちをカツーンてした後いうんです。

北斗の拳のケンシロウが「お前はもう死んでいる」のような決め台詞で。

「お前は3年以内に死んでいる」と。

だから、その処刑を僕たちは「3年殺し」って呼んでいたんです。

そこから2年半がたった中3の1月。

悲劇が起きたんです。

そう、阪神大震災。

僕たちの学舎は完全に崩壊し、そして残念なことに同級生の一人が亡くなったんです。

だから3学期の授業はなかったと記憶しておりますし、卒業式もなかったんじゃないかな。

で、高校1年生になってプレハブの仮設校舎での授業が始まったのですが、その3年殺しの先生とたまたま話す機会があったんです。

まだガキんちょで正義感的なものがあった森川少年は先生に言ってしまったんですよね。

「先生、言霊ってありますから、3年殺しとか言わない方が・・・。実際に震災で・・・。」と。

すると、日焼けして真っ黒な顔が、みるみる真っ赤に紅潮し、この世のものとは思えない低い声で先生はいうんです。

「二度とその話はするな、誰にも」と。

生死に関わることを冗談では言っちゃいけないと、本気で学んだ高校1年の春でした。

きっと、先生も同じ気持ちだったことでしょう。

先生も後悔したと思います。

だから僕も茶化した訳ではないですが、先生が後悔してる可能性があることを、その傷をえぐるような事を言うべきではなかったなと反省しました。

僕らは愚かですが、反省や猛省ができるという唯一の点で救われている気がします。

先生も全然悪気はなかったんですよ。

ただ、悲劇は起こる可能性がある以上、僕たちはその発言には慎重になるべきだと、本気で思いました。

写真は僕の好きな2010年ミレジムではない、普通のNVのドラピエ。

楽しいお酒だったので、とてもおいしかったです。



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