キザなお話
2024.02.01
時としてある香りを嗅いだ瞬間、タイムスリップしたように昔の情景を思い出したり、特定の人が目に浮かんだりするじゃないですか。
今日はそんな香りのお話。
ピノノワールって、めちゃくちゃエロい香りがすることがあると思うんですよね。
エロいという表現には語弊があるかもしれませんが、女性的といいますか、女性そのものといいますか。
そんな事を、写真のワインであるバスフィリップのピノノワールを呑みながら、写真のワインバーの美人ソムリエールと語らいあっていたんです。
誰か特定の人ではないんだけど、めちゃくちゃ女性的で甘美な香りがするワインだなと。
若干表現が変態っぽいんですけど、でもその香りや味が女性そのものであるんですよね。
まぁ、トロトロでエロいんです(笑
ピノノワールを呑むとよくそんな事を思っていたんですけど、たった一度だけ、特定の女子の香り、いやその彼女そのものであると思うワインと出会ったことがありまして。
めちゃくちゃびっくりしたんです。
以前、仲良し女子とフレンチを食べていたんですけど、その女子がとあるブルゴーニュの赤をセレクトしたんですね。
僕は何をセレクトしたかは知らなかったんですけど、サーブされてグラスに注がれたその液体に鼻を近づけた瞬間、はっと息をのんだんです。
そのワインから発せられる香りが、目の前の女性そのものなんです。
そして、ゆっくり、ゆっくりとその液体を自分の中に流し込むと、まさに、まさに目の前にいる女性そのものなんです。
その全てが。
そのブルゴーニュワインから放たれる全てが、目の前にいる女性の様々なシーンを回想させるんです。
現在進行形で目の前にいるのに。
そして、その期間はきっと僕だけが味わうことができる彼女の全てが、そのブルゴーニュワインから僕の脳に刺激を与えるんです。
それは完全ではなく、ある種不完全だからこそ、ブルゴーニュワインが女性とイコールになるわけでして。
人間という不完全だから美しい存在と重なるのです。
彼女という1つの線とブルゴーニュワインという1つの線が螺旋状に絡み合って、まるで一つのDNAのように、まるで元から同じだったかと錯覚できるように、僕の目の前に存在するんです。
僕の記憶と彼女の存在がそのDNAとまた絡み合うように感じるんです。
そして、その瞬間、僕の中に強烈な嫉妬心が芽生えたんです。
なんとも言えない、冷や汗が出るほどの嫉妬心が。
なぜなら、僕しか堪能できないはずのその存在を、このブルゴーニュワインを呑む事で誰もが堪能できてしまうわけで。
僕だけに許された特権を、このワインを呑めば誰でも味わえるわけで。
なので、このブルゴーニュワインが何かだけかは、誰にも言うことはないでしょう。
墓場まで持っていきます。
そして、このブルゴーニュワインを数本購入して、歳月を経て変化する香りや味を、5年後10年後に味わってみたいと思います。
そのシャンポール・ミュジニーと共に。
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はずかし。
キザなコラムを書いてほしいと言われたので、キザっぽいのを書いてみました。
キザというよりもキモイ気もしますが(笑
こういうのを照れもなく書ける人こそアーティストな気がします。
僕は凡庸なので、恥ずかしくてたまりません。
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