さかもりの焼鳥日記

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ただ抱き合って

2024.04.24

ただ抱き合って

ある女の子と話してたらね。

「私と飛行機にのってて、その飛行機が墜落するとしたら、どうする?」と言うんです。

なかなか面白い質問ですよね。

ハリウッド映画や海外ドラマだったら、コックピットに入り込んで、困難を乗り越え、紆余曲折もありつつ奇跡を起こして助かるんでしょうけど。

平々凡々な僕らにはそんな能力もなく。

飛行機が墜落して助かる可能性なんてかなり低いのは誰もが知ってる訳なんだから、じゃあ、落ちるまでの恐怖をいかに和らげるかしか考える道はないわけで。

墜落まで仮に30分あったとしても、特段、残された人生やれることもないですし、機内じゃ美味しいものもない。

CAさんだって怖いんだから、ミールくださいとは言えない(w

じゃあ、墜落するまでの恐怖を紛らわせるという一点に絞られる訳です、行動は。

ガタガタと揺れる機内。

悲鳴や祈り・叫びで騒がしい機内。

震える隣に座る女子。

残された30分間をいかに平穏に過ごすか。

最近の飛行機にはあんまり積んでないかもしれないですけど、とりあえずギャレーに侵入して、ウイスキーなどの酒を強奪ですよね。

で、女子ととりあえず、ありったけの酒を一気する。

極限状態でも酔わないなんてことはないので、多少は気も大きくなってくるはずであって。

残された十数分。

そらもう、抱き合って、キスして、エンドルフィンなどの幸せホルモン出しまくって、現実逃避してそのまま墜落するまで脳内では幸せを感じながら、恐怖を少しでも忘れることができながら、そして墜落する。

ってのがベストなんじゃないかと思うんです。

ガタガタと揺れる機内も、叫び声や鳴き声が響き渡る機内も、耳を塞いで、キスして抱き合っておれば、それはそれなりに幸せな死を迎えられるんじゃないかと。

そんな事を考えていたらですね、もしかしたら、大好きな人とキスして抱き合って過ごすってのは、墜落の恐怖さえも恐らく和らげることができるんだから、相当幸せホルモンが脳内から出るはずなんですよね。

てことはですよ、てことはですよ。

飛行機が墜落するような切羽詰まった状態ではない僕たちがそれを行うってことは、かなり幸せな事なんじゃないかと思うんです。

墜落の恐怖すらやわらげる可能性のある幸せな行為を、爆弾が飛んでくるような極限下でもない、ぬくぬくとしたベッドの上で行うなんて、ある種、幸せの絶頂なんじゃないかと。

でも、日本人って付き合いたてのカップルならともかく、だんだんとそいううことをしなくなっていきますよね。

好きな相手とキスして抱き合う。

相当幸せホルモンが出る行為なはずなのに、恥ずかしいのか、面倒臭いのか、飽きたのか、ダルいのか、どんどんやらなくなる。

いつでもできるからやらなくなるのか。

もしかしたら、極限下の方がやりたくなるのか。

なんしか、そんな幸せな行為を自ら放棄するなんて、相当不幸な事だと思うんですね。

当たり前にできるからこそ、やらなくなるってものの典型が、それなんじゃないかなと。

その女子の何でもない質問から想像できたわけでありましてね。

これこそ、妄想族の本領発揮でして。

そんな話をしながら呑んだネッビオーロは、イチャイチャしてくなるようなエロさではなく、恥じらいながらも手を繋ぎたくなるような、爽やかなエロな味がしました。

まぁ、結局エロですが。




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