二重の凄み
2026.06.02

会社のオーナー以外のいわゆる雇われている人の中で、接待交際費や会議費を使える立場の人っているじゃないですか。
使える人というよりも、接待交際費や会議費の決済をできる人。
例えば、月々10万円までは接待交際費や会議費の決済権限があるとか、1回あたり5万円までの接待交際費の決済権限があるとか、企業によってルールは様々かとは思いますが、大きな企業になればなるほど、すべての決済をオーナーが下すなんて事は不可能なんですから、誰かが決済できる訳です。
接待交際費といえば、主に飲食ですよね。
他社さんとの会食や、社員同士の交流での飲食など。
ちなみに、社員全員が参加するなら福利厚生ですが、特定の社員同士なら接待交際費になるはずです。
で、何が言いたいかといいますと、この接待交際費や会議の決済権限がある人は、自分自身の生殺与奪権を会社、つまりオーナーに握られていると思っていいと思うんです。
「そんなの一般社員でも握られているよ」って思うかもしれませんが、もっと深く深く、人生が詰んでしまうような生殺与奪権を会社に握られていると思った方がいいと思うんです。
普通に考えると、「接待交際費の権限がある=権力があって羨ましい」という構図になると思うんですが、ぼくはその逆を考えてしまうんです。
なぜなら、会社側、つまりオーナーサイドはいつでもその接待交際費に難癖をつける事ができるからです。
オーナーサイドは決裁権は与えていますが、その決済権は会社の売上や成長において真っ当な支出かどうかを判断して、正しく決済をする権限を与えている訳であって、好き勝手に交際費を使っていいという権限ではないんですね、一応。
つまり、オーナーサイドにとって、辞めさせたい役員や、会社にたてついてきた社員、オーナーに不利益な情報を持っている社員、オーナーに不利益な行動を起こす社員がもし接待交際費の権限を持っていたとすると、そこを突く訳です。
さっきも言いましたけど、接待交際費の決裁権は真っ当な支出にのみ付与されているものなんですけど、決裁権があってチェックされなかったら、人はやはり大胆になっていくじゃないですか。
ズルもすれば、不正も多少はする。
私的な飲食も接待交際費に回す事だってあるでしょう。
そして、一回一回の接待交際費について、詳細なレポートなんて書かない訳です。
つまり、後から「これらの接待交際費の支出には疑義がある」と追求されて、弁護士や会計士や税理士などの専門職や査問委員会などから「不正である」と認定されたらもう大変。
仮に月20万円の接待交際費の枠があって、5年間の接待交際費の全ての返還命令が会社側から出たとすると、その合計は1200万円にものぼるわけです。
仮に上場企業の部長クラスだって、いきなり1200万円を返還しろと言われれば困る訳です。
社員だったら業務上横領になるって脅され、役員だったら特別背任になると脅されたら、会社側の要求を突っぱねるために、個人で弁護士などを雇って反駁できる人がどれくらいいるでしょうかね?
つまり、そうなった瞬間、まな板の上の鯉なのであります。
そう、会社側には圧倒的な手札のカードを切る事ができるんです。
まぁ、眠れないからといって、朝の5時にこんな思考をめぐらせてコラムを書いているぼくの方が怖いですけど、権限の裏側には色んなリスクがあるというお話しでした。
くわばらくわばら。
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