2022.10.20
モロー反射とは?どんなときに起こるもの?反応が見られないときに危惧すること
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※本コラムは株式会社BLJが運営しており、記事の内容・正確性の責任はBLJが有します。
赤ちゃんの頃にしか見られない貴重なシーンはさまざまありますが、そのひとつとなるのが「モロー反射」です。
あらためてモロー反射について、基本情報を解説していきます。
どのような時期にモロー反射が起きるのか、またそのときに気をつけたいことなどご紹介していきましょう。
モロー反射とは?
モロー反射とは、外からの刺激によって赤ちゃんが手足を反応させる仕草のことです。
両腕をばんざいさせるような格好になったあと、なにかに抱きつくように手のひらを内側に向けたり、動かしたりします。
このときの動きは、必ず両手ともに起きることが特徴です。
これは赤ちゃんがもともと持っている反射反応であり、「抱きつき反射」とも言われています。
モロー反射は脳幹によってコントロールされ、刺激や危険を感知したとき、何かにつかまることによって回避しようとするために行われる反射という見方もあります。
刺激といっても大きな音などではなく、ちょっとした生活音や、部屋の電気の明るさでも反応が起こります。
1日に何度もみられ、その時期は決してめずらしい動きではありませんが、そのうちにだんだんしなくなっていきます。
一般的には、モロー反射が見られるのは生後4か月から半年頃までとされています。
赤ちゃんの成長は個人差が大きいため、モロー反射が見られなくなる時期もまちまちです。
生後まもなくの赤ちゃんにモロー反射がみられないこともある?
モロー反射は原始反射であることから、たいていの場合はどのような赤ちゃんでもモロー反射が起こります。
早産の赤ちゃんの場合には該当しないこともありますが、出生時やその後の健診では、診察にあたって「モロー反射があるか」もしっかりチェックされます。
モロー反射の有無は、赤ちゃんの中枢神経が問題なく発達しているかどうかの検査にもつながるのです。
発達につれて、モロー反射は自然に起こらなくなっていきます。
モロー反射が起こらなくなってくる頃には、「見たい」「触りたい」といった自らの意思で身体を動かせるようになります。
万が一モロー反射がみられない、もしくはモロー反射に左右差があるというときには、脳神経系や筋肉に異常があるかもしれません。
出産時のなんらかの影響により、疾患などにつながっている可能性がありますので、注意しましょう。
さらに、モロー反射が生後半年以降も変わらずに見られるときには、脳性麻痺の可能性が疑われます。
このように、気になるポイントがある場合にはできるだけ早めに医師へ相談することをおすすめします。
モロー反射の原因とは?
モロー反射の原因として「刺激」と説明しましたが、ここには音、光、温度や感触といったあらゆる要因が考えられます。
例えば赤ちゃんをベッドに寝かせようしたまさにそのときに、モロー反射が起きた……ということもよくあるでしょう。
「背中スイッチ」とも言われるほどよくみられる反応ですが、赤ちゃんにとってはそれくらい、些細な刺激にも大きな影響があるのです。
生まれたばかりの赤ちゃんはまだ自分の意思で手足をコントロールすることが難しく、自分自身の動きに驚いた拍子にモロー反射が発生することもあります。
赤ちゃんは周囲の危険から自分を守ろうという本能的な感覚でモロー反射を起こします。
そのため生まれたばかりの時期は刺激に過敏になり、ありとあらゆるポイントでモロー反射が起きますが、あまり心配しすぎなくて良いですよ。
モロー反射が激しいときはどうしたらいい?
あまりにもモロー反射が頻繁に起こったり、激しすぎるときには、赤ちゃんを落ち着かせることも難しくなってしまうでしょう。
寝かしつけたり落ち着かせたりするのを大変に思うときには、少し周りの刺激をカバーできないか工夫してみましょう。
例えば光に過敏になっているようすがあれば、部屋を少し暗くしたり、遮光カーテンを取り入れたりすることでもモロー反射が起きにくくなるかもしれません。
部屋の窓やドアを開けたままにしがちであれば、こまめに閉めることで外部の音が響きにくく、赤ちゃんも落ち着けるようになるでしょう。
あわせて、室温にも注目してみましょう。
「赤ちゃんが寒がってしまわないか心配」と感じるかもしれませんが、室温は高くなりすぎないようにしましょう。
また、自分自身の手足の動きに驚いてモロー反射が起きているようすであれば、おくるみを活用するのもおすすめです。
まとめ
赤ちゃんにとって、自分の身を守るための正常な反応とも言えるモロー反射ですが、あまりに激しいときには周辺の刺激を抑えてあげましょう。
赤ちゃんがいる環境を変えて、音や光の少ない環境を用意することでもモロー反射が起きにくくなるかもしれません。
もし、生後半年を超えても長く続いていたり、左右非対称な反応が見られたりして心配であれば、一度医師に相談するのもよいでしょう。